さつまいも・琉球いも・からいも・あかいもなどともいい,戦後の調査では37種類もの
地方名をもつ作物である。甘藷の原産地は,メキシコを中心とした中南米であり,
新大陸の発見によって西ヨーロッパへ伝えられ,東洋へはスペイン人の手によって運
ばれた。日本への渡来については諸説があるが,1605年(慶長10)に,中国福建省か
ら沖縄に種いもがもたらされている。沖縄から本土へは1615年(元和1)にリチャー
ド=コックスによって平戸ヘ,1698年(元禄11)には種子島久基によって種子島ヘ,
1705年(宝永2)には前田利右衛門によって薩摩国山川へそれぞれ伝えられた。ま
た,沖縄からの継路とは別に,ルソンから直接に薩摩や長崎に渡来したとも考えられ
る。しかし,本土での甘藷栽培が必ずしも順調に普及したわけではなかった。甘藷の
作物的特性が腐敗しやすく,病害に弱く,食べると胸やけがすることなどによって,
有毒説さえ流布するありさまであった。ただし,甘藷栽培は特定の人物と結びついて
普及する歴史をもっている。元禄年間に著された貝原益軒の『大和本草』,宮崎安貞
の『農業全書』には甘藷が登場している。『農業全書』では甘藷を「蕃藷(ばんしょ)」と
表現し,「りうきういも」「あかいも」とも呼び,甘藷の食糧としての効用を説明し,薩摩
や長崎近辺では農民のあいだで多く栽培されていると述べている。
しかし,甘藷が凶作・飢饉時の救荒作物,あるいは主穀・雑穀の代用食として注目さ
れるようになるのは,享保期前後のことである。たとえば,1711年(正徳l)に百姓
利兵衛が山城ヘ,1713年には下見吉十郎が伊予大三島ヘ,1723年(亨保8)には代官
井戸平左衛門が石見へ,それぞれ甘藷を導入している。享保期にいたって,ようやく
甘藷栽培が東進するようになったのである。また,甘藷栽培の普及ときりはなすこと
のできない人物として青木昆陽をあげることができる。徳川吉宗は1732年(享保17)
の西国での蝗害による大凶作に際して甘藷が救荒作物として利用され,大きな成果を
あげたことを家臣から聞き,長崎出身の平野良右衛門に吹上御苑で甘藷の試植を命じ
た。そのころ,江戸日本橋小田原町に住む青木文蔵(昆陽)は,甘藷の救荒作物とし
ての有効性を『蕃薯考』に著し,江戸町奉行大岡忠相に上申したのである。吉宗は忠
相から『蕃薯考』を聞き,早速に江戸小石川薬園・養生所の2カ所で甘藷の試植を行
わせたのである。昆陽は薩摩と吹上御苑から種いも600個を取りよせ,作人を一人雇
い入れ,自分の家から小石川まで毎日1里半の道をかよって試植にあたった。そし
て,甘藷の苗を江戸付近の農村や下総国馬加村・上総国不動堂村にも配布した。幕府
は『蕃薯考』を木版本にして甘藷とともに各地に配布し,関東での甘藷栽培の普及を
行った。また,このときに食糧難に苦しんでいた伊豆七島にも甘藷が送られたのであ
る。当時のイモ類は里芋が中心であったが,主として西日本が甘藷,東日本が馬鈴薯
という分布であった。なお,甘藷の栽培法では移植栽培のほかに,種いもを切断して
植える直播栽培もみられた。しかし,直播栽培は種いもの腐敗が多く,収量も低いこ
とから移植栽培が一般的であったものと思われる。甘藷の味・色・形状・重量の異な
る品種改良もみられた。近代の甘藷は畑作農業において基幹作物の一つとして重要な
作物ではあったが,農家の自給食糧として栽培され,甘藷を常食にする地域は西南暖
地の山間部や島部などであった。甘藷の作付面積が最高となるのは昭和20年代前半の
時期であり,およそ40万町歩である。つまり,第二次世界大戦の戦時中と戦後の食糧
難の時代に甘藷が代用食として脚光をあびたわけである。当時の日本人の食生活を支
えた甘藷の品種は「農林1号」「農林2号」「ゴコク」「沖縄100号」などであった。
現在の甘藷は作付面積も急減し,消費も澱粉用と飼料用が大半を占めている。
〔参考文献〕宮本常一『甘藷の歴史』1962,未来社 と、ありました。(参考)
貝原益軒(1630〜1714)は、8才から11才の間、父が穂波郡八木山の藩境
警備の役人として赴任したので一家とともに 博多より八木山に移り住んでいたことは、
なにがしか 身近なものを感じます。
本題へ
現在の鹿児島産芋は、
中南米→西ヨーロッパ→中国福建省→沖縄嘉手納村(1605)
→種子島→薩摩国山川(1705)着
と、いう ルートをたどっていますが、
トンガ産芋は、
中南米→イースター島→タヒチ島→クック諸島→トンガ諸島 の、
ルートを たどったのでは、ないのでしょうか?
その後、トンガ諸島→オーストラリアに上陸?
焼酎用国産芋がひっぱくする中、大生産国、中国産を含め 原産地呼称は、今後の芋焼酎業界への提言であり、 芋伝来ルーツの紹介は 夢とロマンが あります。
(参考) 野國総管 甘藷伝来 400年祭 http://www.noguni-400.com/
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